かがみもじ
こんにちは!ことばの教室 言語聴覚士です。
夏がやってきました☀
気温が上がり汗をたくさんかいたときには、水分補給をして熱中症に気を付けて下さいね(;^_^A
さて今回は、文字を書き始めた子どもに見られる不思議(?)な現象について書きたいと思います。
みなさんは『鏡文字(かがみもじ)』という言葉を聞いたことがありますか?
これはその言葉の通り、鏡に映したように左右が反転した文字のことをいいます。
こ子どもが鏡文字を書く現象は、文字を書き始める頃に見られることが多く、日本だけではなく、他の国の子どもにも起こり得るものなのだそうです。
そして、子どもの発達過程の一部として広く理解されています。
鏡文字を書いてしまう原因について、明確には判明されていませんが、いくつかの要因が関係して起こると考えられています。
そのうちのいくつかをお伝えします。
左右の区別がまだ難しい
位置関係の認識は、上下→前後→左右の順で発達するのが一般的なため、発達途中の子どもは左右が把握できずに、反転して書いてしまうことがあるようです。
幼児期は右脳の活動が活発
人は右脳で感性や感覚を、左脳で言語などの論理的な情報を司っているとされています。
そのため、右脳の活動が活発な幼児期には、文字を右脳でイメージとして捉えることができても、左脳で論理的に処理できず、「こんな感じかな?」と文字を書くため左右が反転してしまうことがあるのです。
文字を大まかな形として認識している
人が文字を認識するときは、縦・横・曲線、点などの構成要素から先に捉え、そのあとに左右を認識するとされています。
例えば、子どもが「の」を書こうとして渦巻になっていることはありませんか?
これはまだ、文字全体の構成を大まかな形として捉えているからで、「なんか、丸まっていたな」ということだけを認識しているから起こるのだそうです。
利き手が定まっていないor左利き
ひらがなは、右手で書くことを前提に考えられたため、利き手が決まっていなかったり、左利きの場合、右から左に書く方が書きやすく、反転してしまうようです。
ここあーる・そえるのことばの教室でも、鏡文字を書いている場面が見られることがありますが、そのような時、STは間違いを指摘して無理に直させることはせず、「あれ~?さかさまだったね」などさりげなく声をかけたり、50音表などの見本と比べて、間違いに気づいてもらうようにしています。
文字を書き始めた頃は、子どもの「書くことは楽しい!」を優先し、その気持ちを大切にしてあげたいですね(●^o^●)